研究室紹介 | 科学大 顧研究室

研究室紹介

研究分野

本研究室では、人間工学、安全工学、医療マネジメントを基盤に、人間・技術・組織・環境が相互に関わる社会技術システムを研究しています。中心的な研究テーマの一つは、安全クリティカル領域における安全マネジメントです。事故やインシデントは、個人のミスだけで発生するものではありません。チーム連携、情報システム、組織文化など、複数の要因が相互に関係して発生します。本研究室では、こうした背景要因とその相互作用を分析し、より安全で信頼できる社会技術システムの実現を目指しています。

医療分野では近年、医療従事者の国際化に伴う患者安全上の課題に取り組んでいます。また、電子カルテやオンライン診療など、医療のデジタル化に伴う新たな安全課題にも注目しています。さらに、大規模言語モデル(LLM)を用いたインシデント報告書や患者レビューの分析を通じて、AIを人間の判断を支援する協働的なツールとして活用する研究も進めています。

医療以外の安全クリティカル領域にも研究を広げています。鉄道・交通安全や、VRを用いた安全教育などを対象に、人間の認知・行動特性と、作業環境、技術、タスク、組織との関係を検討しています。対象領域は異なっても、人間とシステムの相互作用から安全上の課題を捉える視点は共通しています。

もう一つの重要な研究分野は、高齢化社会に対応した人間中心設計です。高齢者の健康行動、新しい技術の利用、若年者と高齢者の技術受容の違いなどを研究しています。また、国際共同研究プロジェクト「Later Life Workplace Index(LLWI)」に参画し、多世代が共に働く職場に必要な組織的施策や就労支援についても検討しています。高齢者を単に支援の対象として捉えるのではなく、経験や強みを生かしながら、安全で健康に働き続けられる環境づくりを目指しています。

さらに、人間工学の応用として、日常生活やサービス利用場面におけるUX研究にも取り組んでいます。SNSやオンラインサービスなどを対象に、利用者の特性や行動を踏まえた評価・設計を行っています。研究方法としては、視線計測、質問紙調査、インタビュー、行動実験、ウェアラブルデータ分析、自然言語処理など、テーマに応じて多様な手法を組み合わせています。

本研究室では、安全クリティカル領域、AIと人間の協働、高齢化社会における働き方、UX設計を相互に関連する研究領域として捉えています。人間を中心に据えた視点から、安全で信頼でき、誰もが使いやすい社会システムの実現に貢献することを目指しています。

研究地図

研究室の活動や受賞の軌跡を地球儀上で可視化しています。

学生の論文

博士論文 (Ph.D.)

2025 年度

CHANG Xinyi

Challenges Among International Nurses and the Effects on Nursing Safety and Quality

2021 年度

HAMIDO Sahar

A Study on Effective Support of People's Daily and Working Life in Ageing Society

修士論文 (Master)

2025 年度

猪瀨 祥太

ディストレスとユーストレスが寄付広告の訴求効果に与える影響

岩佐 美雨

外国人看護師に対する日本人のイメージと評価に関する質的研究

浦野 貴徳

救命救急室におけるリスク認知方略の解明:眼球運動解析とデブリーフィングに基づく職種・経験の比較分析

大熊 泰平

オフサイド新ルール導入が誤審率に与える影響

後藤 詩鶴

日本の遠隔医療における制度成熟度と社会的関心トピックの比較研究

髙畑 春太郎

ワークシステムにおける高年齢看護師の価値、課題と支援体制の探索的研究

中島 未有

「推し活」における心理的所有感とパッションが幸福感に与える影響

沈 連童

AI生成広告に対する消費者反応の多面的分析:広告種類、消費財分類の観点から

2024 年度

宮本 翔

自転車利用者に対するVR安全研修の効果検証-従来の動画研修との比較-

SHI Junjie

Factors Influencing Attitudes Towards Shared Decision-Making: Perspectives of Hemodialysis Patients, Family Caregivers, and Healthcare Providers

2023 年度

安部 愛乃

YouTubeにおける案件動画のプロモーション効果の検証

CHEN Mengni

Exploring the Medication Adherence from User Experiences of Smart Pill Boxes: A Qualitative Study

WANG Hanshu

Factors Influencing the Intention to Use Telemedicine in the Post-Pandemic Era: A Cross-National Study between Japan and China

ZHANG Siyuan

Exploring the Well-being and Needs of Healthcare Workers in China During the COVID-19 Surge and Reintegration Stage

2022 年度

青山 航大

装着型センサーにおける使用習慣形成要因の解明―若年層と高齢層の一比較

篠田 圭介

遠隔医療の利用意向に影響を及ぼす要因に関する研究

奥津 智裕

HFACS分類法に基づいた日本の航空事故に関わる要因の解明

学士論文 (Bachelor)

2025 年度

川島 元希

タスクの得意度合いがAIの使用による自己効力感の変化に及ぼす影響

錢 せい

翻訳手法の相違によって生じる認知負荷が交流意欲に及ぼす影響の検証

宮下 侑也

ECサイトにおける商品の訴求タイプが引き起こすFOMOの喚起効果

2024 年度

天野 晴斗

カスタマーレビューがオンラインショッピングに与える影響

藤井 咲衣

観光広告における目的地とデザイン要素の印象の一致が及ぼす影響

倉林 伸明

無人運転化を見据えた外部ディスプレイから自転車運転者への意図伝達時における表現方法の比較

田中 直人

生産者の写真付き食品パッケージにおける表情と背景が消費者に与える効果

長 健介

ペットボトルの形状とラベルの色の組み合わせが清涼飲料水の購買意欲に与える影響

花田 岳大

グループワークにおける社会的インセンティブによる効果

2023 年度

赤川 龍之真

日本人学生アスリートのプレゼンティーズムの現状及び要因の特定

髙橋 豪流

X(旧Twitter)有料化後の継続利用意向に影響する要因

ウィリアムズ 大智

道路交通の補助標識の効果とその影響要因の解明

大熊 泰平

デジタル採点システムのインタフェース改善の事例研究

沈 連童

電子カルテに関連するインシデント分類法の拡張と応用

酒井 雅斗

外国語音声動画における提示速度及び字幕言語が理解度に与える影響

2022 年度

大湊 貴大

映像教材の提示速度による学習効果の比較

水田 元

オンラインショッピングにおける食品画像の背景色が食事の印象に与える影響

2021 年度

安部 愛乃

ブランドとインフルエンサーによるInstagram上の商品宣伝投稿の効果に影響する要因の解明

粕田 直希

マスク着用による外見評価への影響の検証とメカニズムの解明

2020 年度

中井 惇智

踏切障害事故の発生に関わる要因の解明

主な就職先